【考察】大阪のおばちゃん
止まらない。
本当にとまらない。
話が本当に止まらないのである。
年金の話から始まり、友達が買った服をディスり、息子の自慢、弟がなくなった話、次から次へと話が出て来る。
本当に驚くほど止まらないのだ。
聞いているおばちゃんはどうなのかというと、聞いている風な相づち、軽妙なテンポで質問を挟み、気持ちよくおばちゃんの話を促す、
と思いきや、攻守逆転である。
あの相づちは攻撃に移る機をうかがっていたのだ。
軽妙にパンパンと相づちのジャブである。そこから急にカウンターが決まった。決まったおばちゃんはさらに畳み掛ける。話の内容をガラッと変えて同窓会の話に持って行く。
気持ちいくらいの逆転だ。
こんなに早い攻守の切り替えはさながら2016年のユーロ決勝、ポルトガル対フランスを見ているようだ。
SPIの勉強をしていたはずの手を止めて、聞き入ってしまった。
その中で1つ気づいたことがあった。
その話、2回目。
聞いたよ、さっき。
友達のとしこちゃんが手芸教室に通い始めて私を誘ってくれたけど、実はそんなに行きたくなくて、行かなかったんでしょう。
繰り返し右サイドのクリスティアーノロナウドで攻め上がるポルトガルのようだ。
同じ話を何回もしていたのだ。
それでも笑う、笑う。
話の内容なんて気にしない。ひたすら喋れればいいのだ。
いいなぁ、大阪のおばちゃん。
また聴きたいよ。